久しぶりに試飲して、おいしいなって、しみじみ思い、胸の奥からじんわりと震えるような感動を覚えたワインがありました。
どちらも、マキコレワインの中で「少し古め」で「ちょうど飲み頃」を迎えている、いまぜひ出会っていただきたい2本です。

ワインは時に、こちらが飲むのを待っているかのように熟成して、最高のタイミングを差し出してくれる感じがします。この2本はまさに、そんなワインだと思います。


1. ペピエール ミュスカデ・ゴルジュ 2015
フランス・ロワール地方
品種:ミュスカデ
ミュスカデの中でも、特別な存在感を放つ1本。10年ほどの熟成を経て、爽やかさの奥にやさしい深みをまとっています。レモンピールや白トリュフを思わせる香りに、ミントやほんのりスモーキーなニュアンスが重なり合う。
酸は落ち着き、まろやかに広がり、口の中にはじんわりと旨みと果実の奥行きが残ります。最後にはミネラル感がすっと伸びて、余韻もゆったりしています。ワイン好きの方なら、思わず笑顔になるような熟成の魅力を感じられると思います。


2. マス・デ・カプリス B to B 2016
フランス・ラングドック地方
品種:グルナッシュ・ブラン(樽熟)
南仏の陽射しをたっぷり浴びた果実を、自然な農法で育て、樽でゆっくり寝かせた白ワイン。グラスに映る黄金色は、時間が育てた穏やかな輝きです。香りには果実の甘やかさに、ハーブやスパイスがやさしく寄り添い、口に含むとふんわり柔らかさとコクが重なります。2016年からの熟成で生まれた、花梨や黒糖を思わせる丸みのある味わい。
柔らかな酸が全体をまとめ、余韻にはスパイスとミネラルがゆるやかに伸びていきます。力強さの中に、どこかホッとするエレガントさを感じる、そんなワインです。
ワインは一期一会だなといつも思います。その時にしか、出会えない味わいがあります。
この2本は、今ぜひ飲んで欲しいと言わんばかりに、飲むのを待っていたワインだと思います。
