前回はソーヴィニョン・ブランをご紹介しましたが、ロワールのオーペロンにはそれだけではない、他にも素晴らしい白ワインがあります。それはシュナン・ブラン、そしてシャルドネ。ソーヴィニョンとはまた違う表情で、食卓を豊かにしてくれる存在です。

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■ シャルドネ・プレーヌ
ロワールといえばソーヴィニョン、というイメージが強いかもしれませんが、オーペロンのシャルドネも素晴らしい表情を見せてくれます。プレーヌは冷涼な気候の恩恵を受けた、爽やかで透明感のあるシャルドネ。レモンや青リンゴの香り、シャープな酸、ほんのり残る自然な甘みで余韻にブドウの果実味を感じ良いワインだなとしみじみ思わせてくれる。食卓にすっと寄り添い、和食やシーフードに合わせるとその繊細さが際立ちます。
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■ シャルドネ・シェーヌ・タイユ
こちらは一転、樽熟成により、厚みと奥行きを備えたスタイル。熟した洋梨や白桃、柑橘に、アーモンドやほのかにバニラのニュアンス。果実のボリューム感に樽のまろやかさが重なり、余韻にはクリーミーさとミネラルが伸びていきます。ロワールでこのスタイルのシャルドネは珍しく、鶏肉や豚肉などの肉料理やクリーム系の料理に寄り添う力を持った、食卓を華やかに豊かにしてくれるワインです。
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■ アンジュ・ブラン(シュナン・ブラン)
アンジュは、ロワール中部に広がる温暖なエリア。
ここで生まれるシュナン・ブランは、クリーンでピュアな果実味に、厚みと骨格を備えています。青リンゴやレモン、パッションフルーツの香り。心地よい酸が全体を引き締めつつ、熟した洋梨のようなまろやかさが溶け合い、少し濃いめの料理との相性は抜群。余韻にほんのりスモーキーさも感じられ、バターを使った料理や味の濃いソースにも寄り添う、頼もしい1本です。
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■ モンルイ・シュール・ロワール(シュナン・ブラン)
一方で、モンルイはロワール川を挟んでヴーヴレの向かいに位置する冷涼な土地。こちらのシュナン・ブランは、アンジュに比べてより繊細で透明感があります。青リンゴや柑橘、パッションフルーツの香りに、きれいな酸がすっと通り抜け、余韻は綺麗で涼やか。石灰質土壌を思わせるミネラル感が伸びやかで、和食やシンプルな魚料理との相性は抜群です。同じシュナン・ブランでも「濃いめで大らかなアンジュ」と「爽やかで清らかなモンルイ」。飲み比べると違いがはっきりと感じらて面白いです。
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ソーヴィニョン・ブランのキレと透明感がロワールの主流ですが、でも、そこに寄り添うかたちで育まれたシュナン・ブランとシャルドネが、オーペロンのワインの奥深さを感じます。
同じ品種でも土地や醸造によって変わる個性を、飲み比べながら楽しんでいただけたら嬉しいです。

いつも思いますが、素人には、同じ畑・同じ地区・同じ品種・同じ作り手などの飲み比べ、水平テイスティング、垂直テイスティングが、とても分かりやすです。
田中sanのコメントは、自分で飲み比べをしているような錯覚を覚える、とてもステキで分かりやすいです。
飲みたい…飲みたい…飲みたい…
たかすさんコメントありがとうございます。
ワインは飲み比べることで、そのワインのことを深めることができると思います。
ブログをみてワインを飲んでみたいと思っていただけるのはとても嬉しいです。