
本日は試飲会初日でした。
ご参加いただきましたお客様、飲食店様、
本当にありがとうございました。
普段なかなか一度に開けることのないクラスのワインを並べて、
一緒に飲みながら、感想を聞かせていただく時間は、僕自身にとっても、とても勉強になる時間でした。
自分が感じていること。
お客様が感じていること。
飲食店さんが感じていること。
同じワインを飲んでいても、
見ている場所や、心に残るところが少しずつ違っていて、その言葉を聞きながら、ワインの魅力がまた深まっていくような感覚がありました。
このクラスのワインは、一度飲んだだけでは、なかなか掴みきれません。
何度も何度もグラスに戻りながら、時間とともに変化する香りや味わいを見ていくことで、その土地の魅力や、生産者の表現が少しずつほどけていく。
ワインって本当に奥深いなと、
しみじみ感じさせてくれる時間でした。
力強いのに優しい。
濃いのに透明感がある。
静かなのに、心に残る。
一言では言い表せない魅力を持ったワインたちばかりでした。
開けて1日経ったワインは、
明日また違う表情を見せてくれると思います。
今日よりも香りが花開いていたり、
余韻がやわらかくなっていたり、
ワインの奥に隠れていた魅力が、少しずつ見えてくるかもしれません。
明日も、このワインたちを試飲していただけるのが楽しみです。
それぞれのワインの感想も、
よければ読んでみてください。
ドメーヌ・ド・ラプローズ グラン・キュヴェ 2021
開けたては少し還元的でしたが、時間が経つとゆっくりほどけてきました。シラーらしい力強さはありながら、口当たりはとても柔らかく、余韻は驚くほど細やかで優しい。飲み口から余韻にかけて、しっかりとしたスケール感がありながら、重たくならず、透明感のある味わいでした。力強いのに優しい。そんな言葉がぴったりくるワインです。
アフィラント ジゴンダス プロメス 2023
ジゴンダスというと、果実味が強くて、少し押しの強いワインという印象がありました。でもこの2023年のジゴンダスは、今までのイメージとは少し違いました。柔らかいベリーの果実味に、細かいタンニンがやさしく重なり、口当たりがとてもきめ細やか。南ローヌらしい温かさがありながら、どこかブルゴーニュのような繊細さも感じました。今まで飲んだジゴンダスの中でも、かなり好きなタイプです。
ピエトロ・リナルディ バルバレスコ サン・クリストフォロ 2020
バローロと比べると、バルバレスコは少し控えめに見られることもありますが、このワインを飲むと、バルバレスコの緻密さと美しさがよくわかります。柔らかいベリーの風味がきめ細やかに広がり、タンニンも細かく、落ち着いた果実味があります。スケール感がしっかりあるのに、無理に押し出すような力がなく自然体でカッコよく見せようとしない感じ。静かで、品があり、余韻にやさしく残る素晴らしいワインでした。
エルバルーナ バローロ アルボリーナ 2018
とてもきれいで深みのあるバローロでした。ブラックベリーやカシスのような果実味に、ほのかななめし革やタバコのような香りが重なります。タバコって表現するのが今まであんまり好まなかったのでですが、ぶどうの果実味の中にほのかにタバコの風味があると、美味って思います。熟成感は出てきていますが、重たくならず、余韻がとても優しい。力強く終わるのではなく、ゆっくり、しなやかに繊細さを残して消えていく。バローロの強さというより、きれいさと余韻の美しさを感じるワインでした。
ジャンマルク・ボワイヨ ボーヌ 1er Cru モントレヴノ 2017
2017年らしいしなやかさと軽やかさは感じますが、モントレヴノという畑の力がしっかり支えているように思いました。ふくよかで、やわらかく、でも中にギュッと詰まった果実の芯がある。ボワイヨらしい凛とした雰囲気があり、タンニンは細かく、強く出すぎません。繊細さと力強さがどちらもあって、やさしく口いっぱいにピノノワールの美味しさが広がりながら、最後に美味しい余韻を残してくれるワインでした。
フォラン・アルベレ アロース・コルトン 1er Cru レ・ヴェルコ 2016
先日飲んだ2014年は、熟成感が出ていて、果実味が柔らかく溶け込んでいました。「ああ、熟成したワインだな」と、ひと口で感じるような落ち着きがありました。それに比べて、2016年は開けたてからフレッシュでピュア。まだまだみずみずしさがあり、これから先のポテンシャルをしっかり感じるワインでした。フォラン・アルベレのワインは、ただ美味しいというだけではないです。その中に、繊細さ、力強さ、そして気品のようなものがあります。フォランさんの古い地下セラーで、ゆっくり静かに熟成されることで、ワインに落ち着きと深みが生まれているように感じます。グラスから立ち上がる香りにも、味わいにも、どこか高貴な雰囲気がありました。特別な日に開けたくなるような、背筋が少し伸びるようなワインです。2016年なのに、まだ若い。そして、その若さが未熟なのではなく、これから先にもっと美しくほどけていく喜びを感じさせてくれる。一言で言うと、本当にうっとりする美味しさでした。
アラン・ジャニアール ジブレイ・シャンベルタン 2022
2022年でまだ若いので、空ける前はもっと硬いかと思っていましたが、想像以上に美味しさとこのワインの魅力が出ていました。黒いしっかりとした果実の中に、ジブレイらしい鉄や土のようなニュアンスがあり、旨みがありながらそれが味わいの奥行きになっています。時間が経つと、タバコのような香ばしい風味も出てきました。タバコと聞くと少し強い印象がありますが、ワインの中にあると、果実を深くしてくれる美味しい味わいになる。ジブレイらしい旨味と余韻を感じるワインでした。
ミレー シャブリ Grand Cru レ・プリューズ 2022
一口飲んで、すぐにわかりやすく美味しいというより、こちらから覗き込みたくなるような深さがありました。遠くから見ると一枚の紙のようなのに、近くで見ると細かい穴が無数に開いているような、緻密で繊細な印象時間が経つと、深いミネラル感と清涼感と、貝殻のような旨味が出てきます。美味しさを表に押し出すのではなく、ワインのおいしさがゆっくり静かに奥に隠している。その深さに惹き込まれるワインで、グラン・クリュの魅力を感じた1本でした。
ボーマン ムルソー メイシャヴォー 2022
緻密さと力強さが一体になった旨いムルソーでした。旨味と蜜のような風味が厚く、口に含んだ瞬間に唾液が出てくるような立体的な厚みがあり、キレも感じる美味しさがあります。でも、ただ濃いムルソーではないと感じました。みずみずしさもあり、料理を包み込んでくれるような懐の深さがあります。厚み、ミネラル、果実味がきれいに調和されたワインでした。
フォラン・アルベレ アロース・コルトン・ブラン 2021
アロース・コルトンという場所の素晴らしさを、白ワインからも感じました。余韻にバターサンドやビスケットのような、甘く香ばしい風味があります。果実味はとろけるように柔らかいですが、ただ濃いだけではありません。奥に柔らかいミネラル感と緻密さがあり、飲み終わったあとに品の良さが残ります。赤ワインは印象的なワインですが、白でも、場所の力を感じる素晴らしいワインでした。
ビヤー サン・トーバン 1er Cru Sur le Sentier du Clou 2023
この6本の中でも、特に凛とした緊張感を感じました。みずみずしく、繊細で、余韻にきれいなキレがあります。その奥に、優しく温かい樽の風味が少しあり、ミネラルの緊張感と柔らかさがうまく重なっています。時間が経つと、その緊張感がほどけて、ほのかに笑顔を見せてくれるような優しさが出てきました。清らかで、芯のある白ワインです。
デミ・ポミエ シャブリ 1er Cru フルショーム 2020
フルショームは、やっぱり特別な畑だなと感じました。力強くて繊細、濃くて優しい。シャブリらしいミネラルと旨味が、最初の一口からしっかり伝わってきます。2020年らしい温かさや柔らかい熟成感も少し出てきていて、今飲んでもとても美味しい。まだ若さはありますが、濃さ、旨味、ミネラルがきれいに一体になったシャブリでした。こんなシャブリと出会うと笑顔になる魅力溢れるワインでした。
ジャン=マルク・ボワイヨ リュリー 1er Cru 2023
今回の白ワインの並びがすごすぎて、最初は少し控えめに感じるかもしれません。でも、改めて見ると、このワインの完成度はとても高いと思います。凛とした背骨が太いミネラル感と、きれいに溶け込んだ樽の風味。派手に主張するワインではありませんが、果実味、酸、ミネラル、樽のバランスがとてもきれいで旨みを感じます。空けたてから花開いていて、飲食店さんで、ボトルですぐに美味しさを感じ喜ばれそうだなと思いました。飲んで美味しいなとちゃんと印象に残る、完成度の高いリュリーのワインです。
