9月21日から24日の間、カーヴ田中屋で「ワインとAI」の小さな講座をやります。

ワインを飲みながらAIの話をする。
そう聞くと、
「AIの使い方を教える講座なのかな」
「ワイン屋がAI講座って、何をするんやろう」
と思われるかもしれません。
でも、僕自身はAIの専門家ではありません。
普段はChatGPTやClaudeを使っていますが、最新のAI情報を追いかけて、それを皆さんに教えたいわけでもありません。
僕がAIを使い始めた頃は、気になることを調べたり、音声で話したことを文章にしてもらったり、それをブログに使ったり。
そんな使い方が中心でした。
でも、ある時から使い方が少し変わりました。
「こういう資料を作りたいんだけど、自分でもどう作りたいのか分からない」
「このことを表現したいけど、うまく言葉にならない」
そんな時に、
「一緒に考えてほしい」
「それに向けて、僕に質問して」
とAIに伝えてみたんです。
すると、
「誰に届けたいですか」
「何を一番伝えたいですか」
「どうなったら嬉しいですか」
と質問を返してくれる。
その質問に答えていくうちに、自分の中でもおぼろげだったものが、少しずつ見えてくる。
その時に、AIって面白いなと思うようになりました。
答えをもらうというよりも、自分と対話しながら、自分の答えを深めていく。
今は、そんな使い方をしています。
ワインを飲んでいる時も同じです。
例えば、
「この余韻にあるキリッとした酸味って、何の影響なんやろう」
「このワインを柔らかいと感じたけど、その柔らかいって何なんやろう」
「この味わいをフルーツに例えるとしたら、どんな表現になるんやろう」
そんな疑問が出てきます。
その疑問をAIに投げてみる。
品種のこと、産地のこと、造り手のこと。
必要であれば一次情報も確認しながら、一緒に調べていく。
すると、自分が感じていたものに対して言葉が返ってきます。
「あ、これしっくりくる」
と思うこともあれば、
「いや、僕が感じたのはちょっと違うな」
と思うこともあります。
その時に、また自分の感覚や感性に戻る。
僕は、このやり取りがすごく面白いと思っています。
AIが「正解はこれです」と決めてくれるわけではありません。
むしろ、自分の中にあった感覚を言葉にする手助けをしてくれる。
そして最後は、
自分の感覚で確かめる。
ここがすごく大事だと思っています。
今回の講座では、赤ワイン2種類、白ワイン2種類くらいを飲み比べます。

同じような味ではなく、できるだけキャラクターの違うもの。
例えば赤なら、ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨン。
白なら、シャルドネとグルナッシュ・ブラン。
実際飲み比べて、違いを感じやすいものを選ぼうと思っています。
まず、飲んでみる。
そして、カーヴ田中屋の「学べる定期便」で使っているチェックシートに、その時に感じたことを書いてもらいます。
味わいは濃いのか、さっぱりしているのか。
酸味はどう感じたか。
香りはどうだったか。
どちらのワインが好きだったか。
上手に書かなくても大丈夫です。
ワインの正解を書くためのシートではありません。
その時、自分がどう感じたのか。
まずはそれを紙の上に出してみます。
そのチェックシートをAIに読み取ってもらって、
「自分はどんなふうに感じているんだろう」
「この好きをもう少し言葉にするとどうなるんだろう」
ということを見てみたいと思っています。
僕自身もその場で、
「この造り手はどんな人?」
「この2つの品種は何が違う?」
「僕はこう感じたけど、その感覚と産地の特徴はつながるかな?」
「分からない情報は推測しないで」
そんなふうに、普段どうAIに聞いているのかを実際にやってみます。
AIを使い始めた時って、
「どう使ったらいいんやろう」
「何を聞いたらいいんやろう」
と思う方も多いと思います。
僕もそうでした。
でも最近は、何を聞けばいいのか分からないなら、
「何を聞いたらいいか、一緒に考えて」
とAIに言っていいんやと思うようになりました。
そこから返ってくる質問に答えていくと、自分の問い自体が少しずつ明確になっていきます。
今回やってみたいのは、AIの操作方法を覚えることよりも、
自分の中に生まれた小さな疑問を、少し育ててみること。
ワインを飲んで、
「なんでこっちが好きなんやろう」
と思う。
その疑問をAIに渡してみる。
返ってきたものを読んで、最後に自分の感覚で確かめる。
ワインって、一本飲んだら「分かる」ものではないと思っています。
世界中にたくさんの産地があって、品種があって、造り手がいる。
いろいろ飲んでいくうちに、自分の中のパズルのピースが少しずつ増えていく。
「あ、この前飲んだワインとは違うな」
「自分はこういう酸味が好きなんやな」
「次は、この空いているピースを知りたいな」
そんなふうに、少しずつ一つの絵が見えてくる。
そして空いているところが見えるから、また新しいワインを飲んでみたくなる。
新しい出会いにワクワクしてくる。
僕は、そこがワインの面白さだと思っています。
AIも、そのパズルを完成させてくれる存在ではありません。
今、自分が手に持っているピースを、少し見えやすくしてくれる相手なのかもしれません。
そして今回、この時間の中で大事にしたいことがもう一つあります。
AIだけで完結しないこと。
AIは、かなり高い精度で答えを出してくれます。
でも、
「なんかちょっと違うな」
「この言葉は自分にはしっくりこないな」
と感じることがあります。
その違和感を感じるのは人間です。
きっとデザインでも同じです。
AIがきれいなデザインを一気に作ってくれる。
でも、
「この余白、もう少し空けた方がいいな」
「このフォントだと少し強いな」
「おもった雰囲気とは少し違うな」
そういう微妙な違和感を拾って調整するところに、人の感覚や経験があると思います。
ワインも同じです。
参加者の方が感じたことをAIに出してもらう。
その出力を見て、
「この感覚は近いですね」
「ここは少し違うかもしれません」
と、僕も一緒に見ていく。
先生として正解を教えるというよりも、20年以上ワインに触れてきた経験から、全体を見ながら一緒に感じ方を見つけていく。
そんな立ち位置でいたいと思っています。
今回の流れは、
参加者の感覚 → AIの出力 → 田中と参加者で再確認
そんな形を考えています。
僕自身、AIがあることで、今まで苦手だったことにも取り組みやすくなりました。
ホームページ作り。
タスク管理。
思いついたことを残す仕組み。
夫婦で仕事を共有する仕組み。
苦手なことが得意になったわけではありません。
でも、
苦手でも進める環境を作れるようになった。
これは僕にとって、とても大きな変化でした。
今回の講座自体もそうです。
最初に「ワインとAIの話をやってみよう」と決めた時、何を話すのか深く決まっていたわけではありません。
「自分に何が話せるんやろう」
というところから、AIと対話を重ねて、今ここまで来ました。
僕は今まで、自分の中で100点まで納得できないと、なかなか表に出せないところがありました。
でも最近は、
30点でも60点でも、まず出してみる。
やってみて、感想やフィードバックをもらって、また良くしていく。
その方が、新しい経験ができたり、自分自身も成長できたりする。
怖さもありますが、少しずつそう思うようになってきました。
まだ手探りです。
でも、それ以上にワクワクもあります。
今回の講座で持って帰ってもらいたいのは、
「AIってこう使ったらいいんや」
ということだけではありません。
「これ、ワインだけじゃなくて、自分の好きなことにも使えるんじゃないか」
と思ってもらえること。
料理でも、音楽でも、旅行でも、仕事でも。
自分が好きなこと。
もっと知りたいこと。
うまく言葉にできないこと。
そこにAIとの対話を加えてみる。
すると、今までつながっていなかったものが少しずつつながっていく。
分からないことが見えてきて、また知りたくなる。
調べる。
やってみる。
また疑問が出てくる。
そうやって、自分の好きなことがもう少し深まったり、自分が何をしたいのかが少し見えてきたりする。
ワインを飲みながら、みんなで話しながら。
そんな感覚を一緒に体験できる時間になればと思っています。
「ワインって難しい。でも、知るとちょっと楽しい。」ワインとAIの小さな講座
開催日
2026年9月19日(土)〜9月22日(火)
参加費
3,300円
内容
白ワイン2種類・赤ワイン2種類、合計4種類を飲み比べながら、ワインのことを少しずつ深めていきます。
今回はAIも使いながら、気になったことや疑問を一緒に掘り下げてみます。
開催時間・現在の残席状況
- 9月19日(土)17:00〜 あと6席
- 9月20日(日)13:30〜 あと3席
- 9月20日(日)17:00〜 あと6席
- 9月21日(月)13:30〜 あと6席
- 9月21日(月)17:00〜 あと1席
- 9月22日(火)17:00〜 あと5席
飲み比べ予定の4本
白ワイン
・グルナッシュ・ブラン
・シャルドネ
赤ワイン
・カベルネ・ソーヴィニヨン
・ピノ・ノワール
キャラクターの違う4種類を飲みながら、
「なんでこっちが好きなんやろう?」
「この柔らかさって何なんやろう?」
そんな自分の中に出てきた疑問を、AIとの対話も使いながら少しずつ言葉にしていきます。
