本日はカーヴ田中屋として京都にお店をオープンして10年目を迎えることができました。多くの皆さまの支えがあったからこそ、こうして続けることができました。今まで関わって下さったお客さまをはじめ、飲食店の方々には大変感謝しております。
今日はこのようなご挨拶からになりますが、スタッフ共々今後とも末永いお付き合いをよろしくお願い致します。
本日ご紹介するマキコレワインのような、良い畑で良いブドウを使用したワインは、まだ若い年のときに飲むと、溌剌とした弾けるような果実味と、渋さや酸味に少し角を感じます。
良い場所で良いブドウを使っているので、ワインのもっている力がとてもあります。そのワインをゆっくり寝かせると元々の力が丸さに変わり旨味となって豊潤なワインになる印象です。
若くて溌剌としたワインは飲んだときに「このワインは若いな」「あかんな」と否定するのはもったいなくて、今若いけどこのワインを寝かせた時の未来はとても楽しみだという気持ちで見ると、またの未来でこのワインに出会いたいと思えて生きる気力が湧きそう。大袈裟かな。
ワインはその時に楽しむのも素敵ですが、置いた先の未来を想像してワクワクできるお酒かなと思います。
置きたいなと思えるワインとの出会いは一期一会なので、貴重なワインです。
造り手のブレッシー・マッソンさんは仲良しのおしどり夫婦。ポールエミールは、息子さんの名前でとても大切なワインとして名付けられたそうです。お会いしたことはないのですが、僕がこのワインの世界に入った時、彼は小さな子供でした。今では代を継いでワイン造りをされています。ブドウの出来の良い年しかリリースしないこだわりのワインです。
スパイスの柔らかい香りと味。ビターチョコの風味。溌剌とした果実味で、まだまだ若いが今飲んでもとても美味しいと思います。最高峰のクラスらしく、透明感がありエレガントで、精細なワイン。きめ細かいタンニンとほのかに甘みを感じます。飲みはじめのボディーはそれほど強く感じないのですが、飲んでいくうちに濃いワインだなと後で実感します。改めて良いワインだなと染み染み思います。