言葉だけを見ると、ワンランク上は「上」と言い、その下は「下」と言われることがあります。
僕は昔、ワインにランクをつけて上と下と言っていた時期がありました。当時、金井麻紀子さんと試飲会でご一緒してワインを飲む機会があり、麻紀子さんがあるワインを飲んだときに僕は下のランクのワインと思っていたのを、この生産者はどのような表現かな?ってつぶやいて試飲していた姿に驚き、思わず「麻紀子さん、僕は今まで上のランク、下のランクって言っていたのが間違いと気づきました。すべて生産者さんの愛するワインで、表現なんですね」と言ったところ、「そうだよ。生産者はそのワインを造るときに、テーマをもって造るんだよ。これは早く開けて美味しくなるように。これはポテンシャルが高い葡萄だから熟成させよう、とかね。」
その言葉で「そうなんだ。全てのワインは生産者の表現で、上も下もないんだ」ということに気づきました。今まで、上とか下とかで言っていたのを表現というようになりました。
実際にワインには表現の違いがあって、それを簡単に区分けしたら二つあります。一つは、場所の格付けの違い。フランスとイタリアにありますが、先人の方たちがブドウをいろいろな場所に植えて、育てて、この場所は日当たりが良くて土も上質だ。という場所を見つけて、そこをわかりやすくする為に格付けをつくり、そこの場所の個性が引き立つ収穫量を見極めて少なく造ります。
あえて多くを造らないことを決めて、収穫量を制限をしている畑があります。そこは多くの葡萄を造らないので、ワインも量が造れなく価格が高くなっています。そして同じ畑でも同じ完熟具合のブドウができることがなく、様々なブドウが出来きます。生産者はより良いワインを造りたいと、畑の中で完熟が完璧で上質なブドウのみを集めてワインにします。あと、熟成に向くぶどうというのがあって、その割合を多く入れることで、長期熟成を意識してワインを造ることもあります。これがワンランク上のワインと言われます。
本日のマキコレワインは、カイユベルのワインで、3種類ある中を兄弟で長男、次男、三男と、人に例えて個性をみるならば、次男のワインをご紹介します。
牛肉が欲しくなる赤ワインだと思います。
赤ワインはブドウ品種により、味の表現の幅が沢山あります。牛肉に合うワインは、細かくいうと赤身が多いか脂分が多いかでワインのセレクトが変わると思いますが、今回のワインは赤身多めでイメージしました。
牛肉とこのワインを飲むと口の中でお肉の旨みが広がります。よりお肉の美味しさを引き立てるワインだと思います。
ボルドーの隣で造られたワイン。渋みがおいしく感じるしっかりめ。これは畑の中で出来の良いブドウだけを集めて樽で熟成させたもの樽からくるまろやかさと厚みを感じます。しっかりしていますがバランスが良いです。
テールショーは暖かい大地という意味です。メルローのブラックベリーの香りとバランスの良い果実味に、カベルネフランの優しいハーブの香りと樽熟成からくるバニラの香りが上手く調和しています。