マキコレワインとの出会いについて書いてみます。
マキコレワインとの最初の出会いは
大阪でお世話になっていた池原さんで飲ませていただいた
ブルゴーニュのジャッキートルショーのワインがきっかけでした。
池原さんでは日本酒の勉強の為にバイトをしており、
最初はワインに全く興味がありませんでした。
むしろワインは美味しいと思ったことがなく敬遠していました。
友人が店にきてバーベキュするのでワインを探しているといったので、
ワインは池原さんが詳しいので、
「ワインは池原さんに聞いて~」っいうと
「うちのワイン飲んだことないよね。たまたま試飲で空いているので飲んでみる。」
当時の池原酒店ではワインの試飲がないのですが、金井麻紀子さんが書いた本「素晴らしきヴィニロン達」をもって
高槻のレストランのシェフが来られた時に池原さんがトルショーのワインを試飲で空けたものがたまたまあったので、飲ませていただいた。
その本の中で、トルショーさんの手が長年の畑仕事からか薄紫に染まっており
この手の人のワインを飲んでみたいというので来られたみたい。
後々にそのお店ではトルショーのワインがたくさん並ぶお店になります。
ワインって美味しいと思ったことないし。
こだわりの池原さんが扱っているワインだからな~。
半信半疑で飲んでみました。
ジャッキートルショー モレ・サン・ドニ クロソルベ 2001
はじめてワインを飲んで、ブドウ畑が見えたので、
銘柄、年も覚えている。
ワインを飲んで生まれてはじめて心から美味しいって思ったのと、
ワインってブドウでできているんだなと当たり前のことをこのワインを飲んで納得した。
色はロゼかと思うほど、薄い赤ピンク。一口飲むと優しくもふくよかで繊細な果実の味が
押し寄せてきて、喉越しから余韻までずっとブドウの香りが残っている。余韻が異様に長い。
飲み口から余韻までまったく引っかかるところがなくて
あれっ今ワイン飲んでるよねって思うほど、後味が優しい。
今はワインの仕事をしていて、ワインの表現を
していることで、こうして言葉を紡ぐことができますが
当時は
「うわっ うまっ」「やばっ なにこれ」
だけでした。
腰の力がぬけてしまい。座り込んでしまった。
こんなに美味しいワインがあったのか。
この一口が僕の人生を大きく変えることになります。
トルショーさんのワインを試飲してから
クロード・マレシャル ラドワ
パトリスマルク キュベノワールエブラン
カブリアック カベルネソーヴィニョン
ペピエール ミュスカデ
を試飲させていただきました。
どれもブドウの風味がありながら、後味が優しく体に染み込む飲みやすさがある。
シャンパンのパトリスマルクは、衝撃で
「あれっ シャンパンって美味しかったっけ」
「これほど旨味があるシャンパンって飲んだことない」
24歳でそれほどお酒を知らない僕ですが
なんかこのワインたちは、他と全然違うって直感で感じました。
このワインはみんなが飲めば全員美味しいっていうはずだ。絶対売れるすごいワインだ。
という根拠のない自信が溢れてました。
マキコレワインに出会うまでは
自分が何をしたいのかがずっとわからなかった。
18歳のときに中谷彰宏さんの本を立ち読みして
すごく心に響いて、中谷さんの本を読みまくった。
一人の作家さんを好きになると全部読みたくなるので
できるだけたくさんの本を読んだ。
自分はどうしたいのかわからず
いろいろな自己啓発本をたくさん読んだ。
本をいくら読んでも
心からしたいと思うことが何かわからず悩んだ。
ずっと心が空っぽみたいな感覚があった。
「なにかしたい」って思うことは
きっと頭で考えていることなんだと思う。
頭で考えているうちには自分のやりたいことには出会えないと今では思う。
やりたいことって急にやってくる。
僕は一口マキコレワインを飲んだことがきっかけだった。
マキコレワインを飲んで、雷が落ちたような衝撃があって
このワインはきっと人を幸せにするものだ。
このワインはきっと喜んでもらえる。
このワインは未来にきっとブレイクする。
一口飲んでそのようなことがイメージで溢れてきた。
このワインに携わりたい。
24歳の時だった。
池原酒店さんでマキコレワインの営業担当として仕事をスタートしました。
今まで営業をまったくしたことがなくて。
最初どのようにしたらいいのかわからず。
池原さんは自由にしたらいいよと言っていただいたので。日々試行錯誤の連続だった。
今思えば、気持ちだけで
勢いで仕事をしていたな。
同じことをまたしなさいって
なかなかできないなと今では思う。
あの時は何にもワインのことがわからなったけど。マキコレワインは必ず喜ばれて、売れるという根拠のない自信だけがモチベーションだった。
池原さんに試飲のワインを3本ほど空けていただき保冷バッグに入れて、飲食店さんに飛び込み営業をしました。
当店のワインを試飲していただき気に入っていただいたら取扱いを検討してください。
とお店に入った。声も足も震える。
試飲もしてくれないところもあるし。
冷たい対応のところもあった。
何件が回って
たまたま入ったお店が、マキコレワインを以前に池原酒店で買われたことがあって美味しいと興味を持ってくれたお店だった。
快く迎えてくださり、ワインを試飲しながらお話ししていると。
当然質問がくる。
このワインの産地は?ブドウは?
この年はどんな感じなん?
池原さんから聞いた情報のメモをした資料で説明するけど自分も知識がなく、自信をもってお答えできないこともあり。
お客様に満足いくようなことを
答えることができないことが多かった。
わからないことが多すぎて。
自信が無くなっていく。
わからないけど前に進もうって思い
わからないことはその都度池原さんに電話して聞いて答えていきました。
様々なところに飛び込み営業をしました。
断られることが多かったですが、興味を持っていただいて
試飲していただいて、その場でご注文をいただくことも出てきて。
最初よりは気持ちは前向きになってきて楽しさも感じるようになってきましたが
営業を始めて悩みが出てきます。
それは空けているワインしか売れないということ。
試飲していただいたら、それが気に入っていただけると
買っていただけるが、次も試飲をしないと購入には結びつかない。
タイムリーに試飲したワインの価格と雰囲気があっていたから
購入になったと思いますが、タイミングがあわなければ
スルーされます。
試飲してもらう営業の仕方がはたしていいのか
悩んできました。
お店的にもずっと試飲で空けていくのも負担が大きくなるから
どうしたらいいのか考えていた。
ある時
営業にいったところで
「飲んで美味しいけどさ。お付き合いしていったときに、
うちのお料理やお店に合うワインを提案してといったときに
あなたは提案できるの?」
「このワインを一生懸命伝えたいのはわかるけど、
お互い良い関係で付き合うとなれば、あなたがどれだけ
自分の商品を理解しているかが大事なんじゃない」
言われたことは、今思えばその通りだと思うし
言いにくいことを言っていただいたなと感謝できるが
その時は言葉の意味を深く理解できずに
すごくショックな気持ちになった。
今の僕には力がない。
もっと勉強しないと。
この言葉を機に仕事の仕方を変えることになります。
つづきます。