気付きがあるワイン


ムールヴェードルというブドウ品種をご存知ですか?
ムールヴェードルというブドウは、僕の中でフランスにあるブドウ品種の中で最も濃い味わいがする品種かなと思っています。長期熟成に向いているため、どの造り手のワインも長期熟成用に造っているワインには、このムールヴェードルが入っている割合が多いように思います。

本日ご紹介するマキコレワインは、南フランスの最も南の地域のプロヴァンス地方のカシーという小さい村から生まれた素晴らしいワインをご紹介します。

造り手/フィルム・ブランシェ
ワイン名/カシー・ルージュ
産地/フランス プロヴァンス地方
品種/ムールヴェードル90・グルナッシュ10

地中海の海に近い畑なのと、この地域で最も古いアペラシオンで高品質なワインが生まれる場所。しっかりした味わいのブドウを使用していて濃い味わいの印象ですが、上品な味わいでエレガントで透明感があります。柔らかい口当たりで、スパイシーさもあります。空けてゆっくりと果実味が開いてくるので、抜栓は早めがおすすめです。

このワインを何回も飲んでいるのですが、視点を変える事で今までとは違う捉え方になりました。
今までしっかりめの味わいをご紹介しようと思うと、このワインはあまり頭には浮かばず、他のワインをご紹介することが多かったです。例えばブルゴーニュのワインやボジョレーのガメイ、ロワール地方の軽やかな赤など。
ところが、このワインは他の南フランスのワインに比べて品種のイメージから見るととても軽やかな印象です。

イタリアのサンジョベーゼなどのワインをご紹介する時の選択肢の中にこのワインを入れると、とてもおすすめのワインとして見れるようになりました。
以前は、このワインが出来た場所は暖かく品種もしっかりめ味の印象なので濃いワインとして見ていましたが、濃いワインとして見るのではなく、エレガントさのある軽めのワインとしてこのワインを見るととても魅力的に映りました。

グラスからの香りはしっかりスパイシーさがあり、黒いフルーツのニュアンスがありますが、飲み口はとてもピュアで余韻もすごく優しく、体に染み込むような綺麗な果実味があります。
こちらの視点を変えるとワインの見方が変わるのだなと気付きを教えてくれたワインです。

コメントを残す